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マグネットの仕立て方

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マグネット作りは

特別な材料がいらず、材料費も安い(1個50円程度)
小さいので、短時間で出来上がる
仕立てが簡単で、ぶきっちょさんでも失敗知らず
その割に出来上がりが可愛く、満足感一杯

と、嬉しいことがたくさん!
とにかく楽しくて、一個作ると、また次を作りたくなってしまいます。
仕立てと名の付くことががとても苦手な私でも、にまにましちゃうマグネットが作れるので、皆さんも上手に作れること間違いなし!

早速、仕立ててみましょう!

用意するもの

直径4センチの丸くて白いマグネット(ここでは、全て直径4センチのマグネットとして説明します。)

簡単にキレイに仕上げるには、このマグネットの選択が非常に重要です。

100円ショップには4つ白ってのはないしー、安いマグネットはないかしらん、と探していた私は、ある日、量販電気店に併設の文房具売り場で、白ばかり12個入って200円台、というマグネットを見つけました。
おお、安い! ホクホク買って帰り、さて作ろうとしたところ・・・、えっ? どうして? 上手にできない〜!、と悪戦苦闘するうち、布の縁がほつれ始め、危うく、せっかく刺した1枚を無駄にしそうになりました。

実は、マグネットには色々種類があり、形状(ふっくら厚みがある、平ら、円筒状、円錐台状、磁石の周りの縁のあるなし等)、磁石部分の大きさなどに違いがあります。
おすすめは、磁石が小さくて、その周りにぐるりと縁があって、その幅が広く、ふっくらした形のもの。
出来上がりがふっくら可愛く、マグネットの縁もキリっと丸く仕上がります。
特に、縁の幅は広いものの方が、作業が簡単です。私が失敗しそうになったマグネットは、平らで縁の幅が狭いものでした。



マグネット例


左が、磁石部分が小さくて、縁の幅が広いもの
右が、磁石部分が大きくて、縁の幅が狭いもの
形も、左の方がふっくらしていて、右のものは平らです
お勧めは左のタイプです
左の縁の部分に仕切りがなければ、最高です


慣れたり、器用な方なら、どんなマグネットでも大丈夫なのかもしれませんが、初めてでも失敗しないのは、縁の幅が広いタイプですので、まずはそれを探すとよいでしょう。見つからない場合は、少なくとも縁があるものにしてください。

色の付いているマグネットを使う場合は、綿などを敷いて、色が響かないようにするか、もしくは、色が透けるのを効果として取り込むのも、面白そうですね。

ということで、マグネット選びも奥が深そうです。
参考までに、私が見つけたマグネットを書いておきます。


◆コクヨの事務用マグネット(マク―40Nw)
4個で定価170円。
割高ですが、品質はそれなりにいいだろうし、100円ショップの倍はしないし、白ばかり4つ買えるので、まぁいいかな、と思っています。
形は縁の幅が広く、ふっくらしていて、出来上がりが可愛い。
リニューアルされて分別廃棄できる仕様に変更になり、縁の部分に仕切りが付いて、ちょっと作業しにくくなってしまいました。
古い型番(マクー40w)のものは、縁に仕切りがなく、とても扱いやすかったのですが・・・。
町の文房具屋さんなどで、古いコクヨのマグネットを見つけたら、買っておくといいかもしれません。今や廃番商品なので、貴重品です。
◆プラスの事務用マグネット「ツリーズカラーマグネット」(CP−040M)
 (パッケージの表は、「Tree's」になってます。)
これは、3個で130円。
縁の幅が広くて仕切りなし。
でも、コクヨのマグネットのようにふっくらしていなくて、平らです。

やっぱり、コクヨのマグネットのふっくらした形は他になくて、とても可愛いので、今のところこれがイチ押しでしょうか。


接着剤

最初、「布をマグネットのプラスチックに貼り付ける」ものだと思って、布とプラスチック、両方に適している接着剤を探したのですが、布に良いものはプラスチックには今一つ、プラスチックに良いものは布はダメという具合で、見つけることができませんでした。

作業をしてみてわかったのですが、接着剤で「布をマグネットに貼り付ける」というよりは、「布に寄せたギャザーを固める」というイメージです。
布とプラスチック両方に適した接着剤が見つからない時は、布に適した接着剤を選んでください。普通の工作用接着剤でも十分です。

私が使っているのは、セメダインCです。乾くのもそこそこ早く、ギャザーがガチガチに固まって、いい具合です。


型紙

古ハガキ等で、直径6センチの円の中心を通るように十字の線を引き、右図のような型紙を作っておいてください。
中心を通る十字線を引いておくと、中心を合わせる時に便利です。

コンパス等がなくて、上手く円が描けない方は、右の図をそのまま印刷し、厚紙などに貼って切り抜きますと、型紙になりますので、ご利用ください。
(印刷したら、必ずサイズを確認してください。サイズが正しく出ない場合は、お手数ですがご連絡ください。)

マグネットの直径が4センチ以外の場合、直径+2センチの円にします。マグネットによっては足りないこともありますので、加減してください。
また、全面刺しのデザインの場合、5ミリ程度足した方がいい場合もあるようです。(布のサイズが、刺すことによってやや縮むため。)
型紙


印付け用に、シャープペンシルなどの尖った鉛筆類(もちろん、チャコペン等でもOK)

ぐし縫い用の糸(滑りのよ過ぎない太めのもの)と針、ハサミ

刺繍した布

目玉クリップ5〜6個(多分一番小さいサイズのもの、あった方が絶対便利)

もしあればグルーガン

仕立ててみましょう!


材料が揃ったら、いよいよ作業開始です。
色々コツが書いてありますが、要は、

丸く切った布にぐし縫いをしてギャザーを寄せ、マグネットに被せて、裏側で接着剤で止める

ということです。
順を追って、ゆっくりやってみてください。

1.刺繍したデザインの中心から縦・横の延長線上に、印を付けます。

型紙をきちんと中心に合わせるためです。 仕立て方1


2.1.で記した印に十字の線が合うように型紙を置き、鉛筆で布に円を描きます。

こうすると、型紙の中心とデザインの中心を合わせることができます。
型紙に沿って、鉛筆で布に円を描きます。
仕立て方2


3.円から5ミリ内側を、ぐし縫いし、さらに1ミリ内側を、もう一本ぐし縫いします。

糸は、細くてつるつるしたミシン糸などより、少し太めで摩擦係数の大きそうなもの(ボタン付け糸など)が向いています。
細い糸を使うと、後で糸を引っ張る時に、どうかすると切れてしまったりしますので、太めの糸をおすすめします。

ちょっと縫いにくいですが、ぶきっちょさん(←私のこと(^_^;))は、丸く切る前にぐし縫いをしてしまった方が、布の縁がほつれません。

(右の例では緑ですが、目立たない色の糸でぐし縫いしてください。)

針目は特に細かくしなくても、適当で構いませんが、二本のぐし縫いの針目が揃うようにしてください。
なるべく縁に近いイメージでライン取りをするのが、綺麗に仕立てるためのコツです。

ぐし縫いは一本でもいいのですが、二本の方が、ギャザーが綺麗に寄りますし、縮めた布がすぐに戻ったりしません。
縁の幅の狭いマグネットを使う場合は、一本でもいいでしょう。

縫い終わりの糸は、後で引っ張りますので、あまり短くしないようにしてください。
仕立て方3


4.アイロンを掛けます。

特に、刺繍した部分に皺が残らないように掛けましょう。


5.鉛筆で描いた線に沿って切り抜きます。

縁の幅の狭いタイプのマグネットを使う場合は、適宜(2ミリ程度)内側を切り抜いてください。
ビーズなどを使い、立体的なものを仕立てる場合は、刺繍を始める前に書いておいた方が、作業が楽です。


6.ぐし縫いした糸を引いて一旦軽くギャザーを寄せ、王冠状にします。

糸を引く時は、ぐし縫いの縫い始め側・縫い終わり側、両方から引いた方が、簡単です。糸を2本ずつ揃えて、円周に沿う方向に引きましょう。特に、縫い始め・縫い終わりの対岸(180度向こう側)は、よく寄せておきます。


7.ギャザーをちょっと広げて、中央にマグネットを置き、マグネットの溝にぐるっと接着剤を入れます。

布に染みるくらいがちょうどいいので、タップリ入れましょう。


8.糸をぎゅっと引いて布を丸くし、ギャザーの部分を溝に押し付けます。

糸を結ぶ要領で、ぎゅっと引き締めて行きます。
この時、何かの拍子にマグネットが布から飛び出ちゃったりして慌てますが、落ち着いてゆっくり引いてください。
ギャザーの中にマグネットが落ち着いて来たら、さらに力を入れて、しかし、ゆっくりぎゅーっと引いてください。
糸は、円周に沿う方向にゆっくり引くこと。違う方向にギューギュー引っ張ると、布がほつれて来てしまいます。
ある程度、きつく引き締めたら、結び目に水か接着剤を一滴垂らします。摩擦が大きくなって、糸がすぐに緩んで来なくなります。もう一度ぎゅっと引いたら、素早くもう一度結んで固結びにします。
余った糸は、短く切っておきます。

一度表を見て、デザインが中央に来ているか確認。ずれていれば微調整し、また裏返して、ギャザーの部分をギュッと溝に押し付けます。


この時、市販の目玉クリップを使うと簡単です。
ギャザーの山を潰すように、マグネットの縁を掴むようなつもりで、目玉クリップでとめて行きます。
表から見て、丸い綺麗な形にするためには、ギャザーの山を裏へ裏へ完全に折り込むのがコツです。このギャザーの山が表側に響くと、縁の線がデコボコするのです。
ここが美しいマグネットに仕上げるための最大のポイントですので、細心の注意を払ってください。
この時、刺繍部分を挟まないように注意しましょう。また、跡が付いたり、接着剤で一緒に固まってしまったりするのを防ぐため、とめっ放しにはしないようにしてください。ある程度形が付いたら、外すようにします。
目玉クリップで固定したところ

布 とマグネットが完全にくっつかなくても、気にしないで構いません。ギャザーを固めて固定する、というイメージです。

この時、手が汚れますので、皮膚が弱い人は注意してください。マニキュアはハゲます。また、表側に接着剤が付かないように注意しましょう。

※糸の結び目を湿らせて固結びするというアイディアは、naoさんからいただきました。


9.そのまま乾かして固まったら、出来上がり。


マグネットは、使う時に裏を見ないし、裏が気になる私でも、これでOKなのですが、気になる方は、さらに上からグルーガンなどで止めるとよいでしょう。

このままシンプルな丸いマグネットの方が、使いやすいかな、とも思うのですが、お仕立ての得意な方は、レースを足したり、もう一工夫するといいかもしれませんね。
完成裏側

いかがでしょう? これだけで、オリジナルマグネットの出来上がりです。(^_^)
あれこれ書いてありますが、簡単ですよ。
刺繍した布ではなくても、普通の可愛いプリント布などを使うのも、手軽でいいと思います。

もっと、いかにもマグネットに布を被せましたみたいな出来上がりになるのかな、と思ったら、縁もキリッと丸い線が出て、意外に良い出来栄えです。
とにかく、まず一つ作ってみてください。
きっと、あら簡単! あらいいじゃない? と、二つ目三つ目を作りたくなることでしょう。
多くの方々にマグネット作成を楽しんでいただけますように。

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